けものフレンズと動物園によるある現象

はじめに

 今回の記事は発表の紹介となります。

『日本中で愛を叫んだけもの - 動物園と動物アニメは、絶滅危惧種への関心を高め、寄付を促進する -』

 この発表は2019年11月のものですので、もう4年ほど過ぎています。
 今では人気が落ち着きましたが、けものフレンズは現在もアプリなどで遊ばれています。

発表概要

 これは東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構の深野祐也助教授らによる発表で、(公財)東京動物園協会と共同で動物園と「けものフレンズ」が市民の絶滅危惧動物への関心を高め、寄付を促進する役割がある事をインターネットの検索データと動物園の寄付記録を使うことで明らかにしたものです。

私見

 けものフレンズの登場キャラは亜人類の別としては「けも耳」に属します。
 けも耳そのものは一般的に認知されにくいジャンルですが、よくも悪くもけものフレンズによって一般的にこういうジャンルが存在していることが認知されたきっかけであると考えています。

 また漫画・アニメ文化に慣れ親しんだ若い世代には、これらのジャンルは比較的抵抗感なく受け入れられたと思われ、動物園の来場者数はけものフレンズアニメ1期放送付近では確実に増加していました。

 一部ではけものフレンズが動物園とコラボする事もあり、相乗効果で一般に動物に対する関心が高まったのではと思います。

 さらに、けものフレンズ内にはレッドリスト、いわゆる絶滅危惧種や絶滅種のキャラクターも登場しており、こうした方面に対しても関心が高まったものと思います。

 けものフレンズ自体はアニメの第1期後~第2期で本編とは別の部分でトラブルが生じたために人気が急降下(と言いましては一定層の支持は今だあります)してしまい、現在はスマートフォンアプリを中心に静かにメディア展開が行われています。

 こうしたけも耳キャラを活用した宣伝により、自然環境や絶滅危惧種の問題に市民がより興味関心を持つようになることが期待されます。