けも連について
当会の趣旨
1970年代に漫画などで登場するようになった猫耳をつけたキャラクターは、80年代を経て90年代になると猫だけではなく狐や犬など様々な動物の耳を有した、いわゆる「けも耳(獣耳)」として広く見られるようになりました。
しかし残念な事にその頃から一部の獣人を好む層から「けも耳」を否定し、その愛好者に攻撃を加える人が増えてまいりました。
コミケットにおいて隣接した獣人サークルとねこ耳サークルの乱闘騒ぎは知る人ぞ知る事件となりましょう。
そこで当会はけも耳愛好者どうしで情報の共有をしつつお互い助け合い、獣人を含めて幅広いジャンルでけも耳を愛でようという理念を掲げて1999年に活動をはじめました。
2000年代後半に入ると幅広いジャンルで獣人やけも耳が認知され、それらに関するサイトが数多く見られるようになりました。また前述のような過激な行動を起こす者もほぼ見られなくなりました。
そこでけも連の当初の目的はおおむね達成したと考え、2009年に活動を一旦停止しました。
そして2019年10月。けも耳を初めとする獣人に関する史料が思いのほか残されていない事に気がつき、それらの史料や情報の収集、保管を目的として改めて活動をはじめました。
往年のような活発な活動は行えませんが、少しずつ史料や関連サイトの収集を進めてまいります。
そしてこの活動が後年の文化史、風俗史研究の一助になればと思います。
けも連幹事 役場あき
沿革
当会は1999年6月11日に発足しました。
当時評論系同人サークル「ほりでい」の代表、安月氏が「うさ耳連合」(仮)構想を発表し、ジャンルを拡大して「けものな耳をつけてる子を愛でましょうね☆総連合」として発足したのが始まりです。
初期には「表現の自由連合」や「全国表自問題協議会」と関わりを持ち、表現の自由の観点からけも耳を獣人の1ジャンルとして認知させる運動をしていました。
また後述するけも耳分類法などを提唱し、サブカルチャーを取り扱う雑誌にも掲載されるなど一部のジャンルで徐々に認知されるようになりました。
2000年代前半にそれらの運動から一線を引き、史学的な観点からけも耳を研究する方針へと変化していきました。
その後、「けも耳総連合」を経て現在の「けも連」へと続いています。
けも耳分類法について
こちらの資料は当時「獣人もけも耳も亜人類の1ジャンルに過ぎず、獣人愛好者がけも耳愛好者を排斥する理由はない」という考えから、けも連として提唱していた分類法です。
漫画やイラストなどの世界には昔より様々な亜人種(キメラ種)が存在し、独特な世界を構築しています。
けも連ではその亜人種の中でも特に「けも耳」(獣耳を有するキャラクター)に焦点を絞り、その種類を明確にし、分類しようと考えています。
この分類は当時日本近現代史を研究していた安藤氏が文化史の一分野として猫耳などの獣耳をつけたキャラクターや人物を研究するにあたり、そのルーツを体系化する試みとして行っていたものです。
当時は現在と異なりサブカルチャー史に関してかなり軽視されていた事もあり、資料収集や研究は困難を極めました。
結局鎌倉前期に賀美憑(神憑)により村の童女に獣の耳が生えるという伝承が残されている所までさかのぼることが出来たものの、そこで挫折をしたそうです。
どうしてもそれを裏付ける文献が入手できませんでした。
この分類法をご覧いただく事で、けも耳に関する断片的な歴史を見ることが出来るかもしれません。
【系図】 ┌───────┐ │ ヒト型生物 │ └───┬───┘ ┌───────┼───────┐ ┌──┴──┐ ┌──┴──┐ ┌──┴──┐ │(妖精類)├‥┤ 亜人類 ├‥┤ 人 類 │ └─────┘ └──┬──┘ └─────┘ ┌───────┴─────┐ ┌──┴──┐ ┌────┴────┐ │ 獣人科 │ │ 人科 (けも耳) │ └──┬──┘ └────┬────┘ ‥‥┬────┴──┬‥‥ ‥‥┬─┴─────┬‥‥ ┌──┴──┐┌───┴──┐ ┌──┴──┐┌───┴──┐ │ ネコ属 ││ ウサギ属 │ │ イヌ属 ││ キツネ属 │ └─────┘└──────┘ └─────┘└──────┘
いわゆる「ヒト型生物」(以下、ヒト)は大きく3種類に分けられ、その分類はほとんどの場合、外見的特徴、特に「耳」によって判断されます。
「人類」は従来のヒト的特徴を有しているものであり、尻尾・ネコ耳などの非ヒト的特徴を先天的には有しておりません。
「亜人類」は先天的にヒト的特徴を有するものの、同時にケモノ的特徴も有しています。このうちケモノ的特徴を多く有し、全身が毛に覆われるなどの、外見的にケモノに近い亜人類を「獣人科」、そうでない亜人類を「人科」、いわゆる「けも耳」に分類します。そして、それぞれの下で”主として特徴が現れているケモノ”ごとに属分類をします。
なお上記系図の属に登場している動物は例として登場しているだけですので、これだけしか属がない、という事ではありません。ご注意ください。
「妖精類」は上の人類・亜人類と外見・特徴的に似ていますが、細かい点についてはほとんど解明されておらず、明確な定義付けはされておりません。このため妖精類に関しての明確な分類は特にありません。
現状では人類、亜人類のどちらにも分類されないものを妖精類としています。
【分類】 亜人類/先天性二耳有尾/人科ウサギ属 └─┘ └─┘└┘└┘ └┘└──┘ 1 2 34 5 6 7 1┬人 類……先天的にヒト的特徴のみを有しています。 ├亜人類……先天的にヒト的・ケモノ的特徴を有しています。 └妖精類……上のどれにも分類できない、その他の種類です。 2┬先天性……生まれながらにしてその特徴を有しています。 └後天性……生まれた後に、何らかの理由によってその特徴を有 したものです。 3┬真性………その特徴部分が十分に本来の機能を果たしているも │ のです。例では真性のため、省略されています。 └疑似………その特徴部分がその本来の機能を果たさないまたは 外見のみのものです。付け耳はこの分類になります。 4─n耳………上記3を含め、n個の耳を有しています。 5┬有尾………尻尾がある人です。 └無尾………尻尾がない人です。 6┬人科………外見上、ヒトの割合が多い人です。 └獣人科……外見上、ケモノの割合が多い人です。 (どちらにせよ外見的な判断ですので、その分類に 明確な基準はありません。) 7┬ネコ属……ネコ型耳またはネコ型尻尾を有しています。 ├ウサギ属…ウサギ型耳またはウサギ型尻尾を有しています。 ├イヌ属……イヌ型耳またはイヌ型尻尾を有しています。 : ├オニ属……オニ型角または耳を有しています。 :
分類法を提唱した時期は1990年代になります。
このように分類をする事で一部の獣人愛好者による他派排斥やこれらに興味がない層からの揶揄が少しでも減るのではと考えました。
およそ20年が過ぎましたが、当時の様なトラブルも減り、一般的に獣耳という概念がずいぶん知られるようになってきたように思います。
こうした分類考察も時代とともに変わってゆくことと思います。
なお余談ですが、(誌名は失念しましたが)当会やこの分類法に関する記事がHP紹介系の雑誌に掲載されたこともありました。
入会について
現在は会員制ではありませんので、特に募集は行っていません。
昔会員だった方や現在の当会の趣旨(史料となりうる諸資料の収集、保管)に賛同いただける方は協賛会員として名乗っていただいて構いません。
その場合はメールフォームよりその旨をご一報いただけると助かります。
ただし協賛会員の方は当会の品位を落とすような言行動はお控えください。
現在けも連では史料を収集しています。
けも耳や獣人に関する史料や情報があります方はぜひメールフォームからお知らせください。
事務局
団体名:けも連
HP名:けもれん
幹 事:役場あき
連絡先:メールフォーム
旧会員:11名
以上です。